監 督 の 記

 平成12年〜13年途中 
シニアチーム四十雀リーグ監督  阿  部   裕

一昨年(平成13年 2001年)の9月から2年間の予定でインドへ赴任となり、わずかの期間で監督を次の方に引き継いでいただきましたが、そのわずかな期間監督をやらせていただいて私が一番悩んだことは、やる以上は勝ちたいけれど、来た人全員に出場してもらえるようにすることも監督の務めだと言うことでした。

やはりどのレベルのチームにもその時のベストメンバーと言うものがあります。ただ私達の年代・レベルですと、相手チームに対する戦術の違いによってそれが変わるとかはあまりなくて、勝とうとすれば、どうしても動ける人、動けなくてもキープ出来る人、動けなくても人を上手く使える人が、優先となってしまいます。

そこで相手が我々より明らかに弱い場合は、それほど悩まずに上記に該当しない人でも前後半に振り分けて起用出来ますが、それ以外の場合は、どうしてもまずは上記に該当する人優先の先発となり、その後の形勢・勝敗の行方をにらみながら全員を使って行くと言った形となります。その場合、我々のチームが試合を優位に進めていれば良いのですが、逆の場合は半分勝敗を諦めて交代させるか、どのポジションならば交代させても影響が少ないかを、試合の流れを冷静に見極めながら判断する必要が有ります。

これを、時には試合開始直前まで参加メンバーが分からない、まして苦戦中の試合に自分も出場しているとなると、判断に必要な残り時間も正確には分からないしで、きっちりやるのは困難なことです。こんなことで、人数が足りないとチームとしては大変ですが、個人的には余計な心配をせずに思い切って試合が出来るのでホッとしたり、人数が多い時は、出たい気持ちをぐっと抑えてまず自分が外れることを考えたり、また試合開始前にウォーミングアップする余裕がなく、それが原因?で肉離れ等の怪我が増えたりもしたような気がします。でもいずれにしてもサッカーが出来ると言うことは本当に幸せなことです。

こちらでは、つい先日南アでのワールドカップでも準優勝しましたが、クリケットが盛んで、サッカーをやっているところ(ゴールも)はほとんど見かけないし、テレビで見るのと家の中で壁に向かってボールを蹴るくらい。唯一良い点は、元イギリス領だったこともあり、テレビでプレミア・リーグのいい試合はほとんど放映されており、特にアンリ、ピレス、ビエラ等フランス代表が5人もいるアーセナル、ベロン、ファンニステルローイと勿論ベッカムもいるマンチェスター・ユナイテッドの、昔のイングランド・サッカーとちょっと違うサッカーを楽しんでいます。やはりこの2チームが他チームと違うのは、第3者の動きの質の高さと、そこに正確なパスを出せる選手の差と、これを基本としたパターンをいかに多く持っているかだとつくづく感じます。我々も頑張りましょう!

                                   (昭和42年 湘南高卒業)